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福岡マラソン2022

2022年11月17日

3年ぶり「福岡マラソン」開催!
約13000人が天神〜糸島の
42・195キロを疾走。

3年ぶりの通常開催に13,000人のランナーが参加。

「福岡マラソン2022」(福岡市、糸島市、一般財団法人福岡陸上競技協会など主催、西日本新聞社共催、朝日新聞社など特別後援)が11月13日、行われた。

 

 昨年までの2大会は新型コロナウイルスの影響で中止となり、今年は感染対策を取った上で、3年ぶりに通常通りの開催となった。 

 

 午前8時10分に車いす競技の7人のランナーが先行してスタート。同8時20分にフルマラソン(42・195キロ)の11,174人(うち完走者10,711人)、ファンラン(5・2キロ)の1,778人がスタートし、車いすとファンランは福岡市早良区の福岡市博物館付近、フルマラソンは糸島市の市交流プラザ志摩館付近のゴールを目指し、福岡市内から糸島の海沿いの景色を楽しみながら駆け出していった。沿道には地元の銘菓などが用意され、ランナーはエネルギーを補給するとともに地元の味を楽しんでいた。

 

 車いす競技は福岡県の中尾柊太さんが16分48秒で優勝。フルマラソンは、男子が熊本県の塚本浩一さんが2時間28分24秒で、女子は同じく熊本県の岩村聖華さんが2時間51分34秒で、栄冠をつかんだ。

万全の感染対策を

実施し、安心・安全な 大会に。

過去2大会の中止を経て開かれた今大会は、国や県が示す基準や公益財団法人日本スポーツ協会、公益財団法人日本陸上競技連盟が策定するガイドライン・ガイダンスに基づき、新型コロナウイルス感染症予防対策が講じられた。 陽性者、濃厚接触者の参加は認めないのはもちろん、参加者は大会1週間前から大会後2週間までの体調管理チェックが実施され、ボランティアについても、大会前1週間から、大会後2週間まで「体調管理チェックシート」による体調管理を実施。活動中のマスク着用が徹底された。大会当日も、スタート地点でランナー同士の間隔を空けたり、コース上に消毒液を設けたりするなどの感染対策がとられた。

この時代だからこそ、 人・まち・未来をつなぐ、 希望となる大会に。

3年ぶりとなった福岡の一大イベントに、笑顔で力走したランナーたちはもちろん、沿道から応援を送った市民たちもそれぞれに大会を満喫。感染防止対策として声を出すことを控えるよう呼びかけられる中で、メッセージが書かれたボードや拍手などによって精一杯応援する姿が見られ、ランナーも手を振ったり笑顔で応えていた。


「人をつなぐ。まちをつなぐ。未来へつなぐ。」という大会のテーマにふさわしく、ランナー、大会スタッフ、ボランティア、沿道の市民が様々な想いを胸に、無事終えることができたことは未来への希望を見せてくれた。まさにみんながつながり、いっしょにつくる大会となった。

子どもたちの夢を乗せ、

環境に優しい燃料電池自動車

「MIRAI」が先導。

排気ガスを排出せず、 マラソンの先導車として 最適な究極のエコカー。

 今回、先導車として採用されたのは、水素を使って充電する燃料電池自動車「MIRAI」。ガソリン等の内燃機関(エンジン)を搭載しておらず排気ガスを出さないため非常にクリーン。加えて、走行時にCO2や環境負荷物質を排出しない優れた環境性能を有しており、マラソンの先導車として最適な車といえる。

 

 大会当日は、車体に子どもたちが描いた「ぬりえ」がラッピングされ、先導車としてコースの状況確認やランナーの到着を沿道の人たちに知らせる役割を担った。

マラソンの参加資格がない

小学生以下の子どもたちにも

参加してもらいたい。

 11月3日には、先導車のデザインを子どもたちが手がけた「夢のミライぬりえコンテスト」の表彰式が行われた。 

 

 今回で第7回となる『夢のミライぬりえコンテスト』は、福岡トヨタ自動車などが、福岡県内に住む小学生以下の子どもを対象に行っているもので、表彰式の会場となった福岡市中央区の福岡トヨタ本社には前回の応募を大きく上回る3042作品の中から優秀賞4作品、最優秀賞1作品が選ばれ、最終選考に残った105作品も会場に展示された。 

 

 ぬりえコンテストの主催者であり、第1回大会からゴールドスポンサーとして福岡マラソンを支える福岡トヨタ自動車の金子直幹社長からは、「このコンテストは、どんなに足が速くてもマラソンには参加できない小学生以下の皆さんにも何とか参加してもらいたい。実際に走る先導車にぬりえを描いてランナーの皆さんを応援してもらいたい、という願いからはじまりました。入選された5名の皆さんの作品は、どれも本当に素晴らしい作品になっていると思います。最優秀賞の作品を3042作品の代表として、みんなで大会を盛り上げていただきたい」と挨拶があった。 

 

 続いて、福岡マラソン実行委員会の重岡清貴事務局長の挨拶、審査委員長を務めた福岡市美術館の中山喜一朗総館長の総評があり、それぞれ子どもたちの作品を高く評価した。

輝く未来を色鮮やかに

表現した小学6年生の

下川さんが最優秀賞に。

 優秀賞4作品が発表された後、最優秀作品に選ばれたのは、小学6年の下川二葉さんが描いた『かがやく未来に向かって』。ランナーやゴールテープ、応援する人、虹、宇宙などが青や黄色で色鮮やかに表現され、授賞式では下川さんの作品がラッピングされた「MIRAI」がお披露目された。

 

 「(自分の作品が)実際に車になってうれしい。未来に向かって走る人と色鮮やかでカラフルなことを意識して描きました」と受賞の喜びを語る下川さん。コースを颯爽と走る「MIRAI」は、大会当日もレースに華を添えた。

先導車「MIRAI」の

エネルギーとなる水素は

下水からも!?

カーボンフリー達成の

鍵を握る水素は、

注目のエネルギー。

 福岡マラソン2022で先導車を務めた「MIRAI」は、酸素と水素の反応によって電気をつくり、きれいな空気と水だけを排出することから究極のエコカーとも呼ばれる。 

 

 水素は、再生可能エネルギーによる水の電気分解や、化石燃料と二酸化炭素の貯留・再利用技術を組み合わせることで、カーボンフリーなエネルギーとして活用可能だ。

 

 

※出典:資源エネルギー庁ウェブサイト

福岡市は、

「水素リーダー都市プロジェクト」を推進中。

 

 早くから水素エネルギーに着目してきた福岡市では、水素社会の実現に向けて、水素エネルギー関連産業の振興を目的とした「水素リーダー都市プロジェクト」を推進している。 

 

 その第1弾として、中部水処理センターにおいて下水汚泥を処理する過程で発生するバイオガスから水素をつくり、「MIRAI」をはじめとする燃料電池自動車(FCV)へ供給する世界初の水素ステーションを2015年3月に開設。

 

 2022年9月には商用ステーションとしてリニューアルされた。福岡マラソンの先導車となった「MIRAI」のエネルギー源となる水素も、下水(生活排水)を処理する過程で発生するバイオガスからつくることができる。

 

 電気を使って水から取り出すことができるのはもちろん、石油や天然ガスなどの化石燃料、メタノールやエタノールなど、さまざまな資源からつくることができる水素だが、化石燃料などでは製造の過程でCO2が発生すると環境に負荷を与えることも。その点、下水汚泥からつくられた水素は、化石燃料からつくられた水素に比べて環境負荷を低減することが可能だ。 

 

市民生活で必ず発生する下水を活用したこの取組みは、エネルギーの地産地消モデルとして注目されている。

  

増え続ける災害への

備えとしても期待が集まる

水素エネルギー。 

 

発生数・被害ともに

増加する自然災害。  

 東日本大震災をはじめとする地震はもちろん、台風や大雨による水害などの災害は、発生数・被害の規模ともに増加傾向にある。

 

 特に最近は線状降水帯の発生も多く、集中豪雨による洪水や土砂災害等の発生リスクのさらなる高まりが危惧されている。 

 

災害発生時、

電力供給などを

担う燃料電池車。

 大地震、豪雨などで発電システムや送電網に被害が発生すると、長時間の停電など、生活に多大な影響が出ることも少なくない。そうした災害による非常時の備えとして水素の活用が期待されている。 

 

 水素と酸素の化学反応を利用して発電した電気で走る「MIRAI」などの燃料電池車は、外部給電器を使って家電製品等へ給電することが可能。2022年9月に福岡市が導入した移動式発電・給電システム「Moving e」も、燃料電池バスが大容量の発電を行うことができる。災害時にはこうした燃料電池車を避難所に派遣して電力を供給することなどが想定される。 

創業80周年を迎えた

福岡トヨタが防災連携

協定で地域社会へ貢献。

 福岡市では、地震・風水害等の災害発生時に被害の拡大防止措置や被災箇所の復旧作業を迅速に行えるよう、企業や団体等と防災協定を締結している。

 

 燃料電池車「MIRAI」を展開する福岡トヨタとも協定を結び、災害の発生時には「MIRAI」やプラグインハイブリッド車など外部給電が可能な車両の貸与を受け、避難所等における電力供給を実施。

 

 80周年を迎えた福岡トヨタでも、福岡市をはじめ5つの自治体と防災連携協定を締結。災害発生時のサポートの他、防災訓練・啓発イベントへの協力など、地域の「環境」と「安全」を守る活動に取り組んでいる。

〈 取材協力 〉 福岡トヨタ自動車株式会社 福岡マラソン実行委員会 福岡市 市民局 スポーツ推進部 福岡市経済観光文化局 グリーンイノベーション戦略担当 福岡市市民局 防災・危機管理部

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